琉球朝日放送は1月22日深夜から、全国初となる「AIアナウンサー」によるニュース番組の放送と配信を開始した。AI技術を活用した新たな試みが、沖縄から発信されることとなった。
このシステムは、韓国のIT企業が開発した技術を基に構築されたもの。原稿を入力し言語を選ぶと、アバターがその言語に対応した自然な口の動きや手振りでニュースを読み上げる仕組みだ。性別や人種、服装、表情が異なる約130種のアバターが利用可能で、80以上の言語に対応する。琉球朝日放送では、これを日本語で放送し、副音声で英語版も提供する予定だ。

働き方改革と多言語化を実現
AIアナウンサー導入の背景には、働き方改革と多言語対応へのニーズがある。特に深夜や早朝のニュース放送において、人的負担を軽減しつつ情報を届けることが求められていた。
このAIシステムは単に効率化を図るだけでなく、沖縄を訪れる多国籍な観光客への情報発信を視野に入れている。ニュースのインターネット配信では、日本語だけでなく英語、中国語、韓国語にも対応予定だ。
番組は当面、週2回(月曜深夜1時、 水曜夜11時10分)放送される。開始早々ながら、「実物そっくりの動きがすごい」「多言語対応は観光地沖縄にぴったり」といった好意的な意見が寄せられている。一方で、「AIアナウンサーがどこまで自然な放送を提供できるのか」といった期待と懸念もある。
琉球朝日放送では「地域の特性を活かし、情報伝達の可能性をさらに広げたい」としており、この新技術が地方から全国へ、新たな放送の形を提案する契機となることが期待される。視聴者の声を反映させつつ進化するAIアナウンサーの姿に注目が集まる。