東京都教育委員会は20日にベルサール渋谷ガーデン ホールにて東京都公立学校教員採用イベント「TOKYO教育Festa!」を開催。「TOKYO教育Festa!」では教員についての講演、ミニセミナー、体験、相談など幅広く教職に関する20のブースが用意されており、実際の教鞭をとる教職員の声を聞くことや、授業づくりを体験することで教育現場を深く知ってもらう、そして教員の希望者を増やしていくことがこのイベントの目的だ。
尾木直樹氏が熱弁
教育評論家であり法政大学名誉教授の尾木直樹氏が登場。教員を目指す人たち、実際に教育現場で働く人たちに向けて「未来を拓く教師〜子どもに寄り添って〜」というテーマで、1時間ほどの講演会が実施された。
尾木氏は、教師の魅力について「人の成長のすばらしさ、変化にずっと付き合っていける」「教師というのはその後の生徒の人生も見ることができる。それはなにものにもかえがたい」と話した。
大切な3つの教師の力については、「聴く力」、「優しさと厳しさのバランス」、そして「高い目標や目的(アドバルーン)を掲げて前進すること」の3点であると紹介。最後に、「子ども大綱」についても触れ、「子ども大綱とは、政府だけでなく市区町村が『子ども真ん中社会』の実現を目指し、子どもを中心に据えながら、周囲の大人や学校が共に幸せになれる社会を目指す理念である」と説明した。また、尾木氏はこの考えを「子どもセンター」という言葉で表現している。
これからの教育のあり方について、尾木氏は「学校の運営や教室の運営において、様々な場面で『子どもセンター』という考え方を取り入れていけると良いと思います。そして、子どもに頼り、寄り添うことで展望は広がっていく。そこに壁はないのです」とコメントして締めくくった。
教育現場を体験できるブースも
「はじめての授業づくり体験―ミニ授業をつくってみよう―」では、4名ほどのグループに分かれ、用意された複数のテーマから選択し、ミニ授業を作成して発表するという、教員の仕事について”知る”ことに焦点を当てた企画が開催された。参加者が「授業グループ」と「子どもグループ」に分かれて模擬授業を行い、授業後に互いの感想を共有する形式の体験型セミナーである。
参加者は実際に自分自身で授業を行うことができるほか、現役の教員スタッフからのアドバイスや、リアルな体験談や意見を聞ける貴重な場として賑わいを見せていた。
また、教員の働き方や勤務条件についての説明、転職希望者向けの個別相談、臨時的任用教員や非常勤講師の案内など、充実したブースも多く出展されていた。