ニデック株式会社は、モータ業界の社会貢献度を可視化したスペシャルサイト「モータインパクトレポート」を8月8日(木)より公開した。ニデックは精密小型モータの開発・製造において世界一のシェアを誇っており、今回の取り組みはモータの社会的な重要性を広く認識してもらうことを目的としている。
モータは世界の電力エネルギーの約半分を消費しており、効率化することで世界のエネルギー消費を抑え、脱炭素社会に貢献することができる。しかし、ニデックが実施した調査によると、8割以上の人が「モータが脱炭素に貢献している」ことを認識していないことが明らかになった。これを受けて、ニデックは「モータインパクトレポート」を通じて、モータの社会貢献度をわかりやすく伝えるために3つの方向性で情報を発信することにした。
くらしへの影響
「モータインパクトレポート」では、モータがどのように日常生活に貢献しているかについても紹介している。例えば、スマートフォンの触覚デバイスにより、振動でリアルな操作感を提供する技術が説明されている。さらに、コードレス掃除機や静音性が向上した洗濯機など、家庭内での利便性を高めるモータの進化も取り上げられている。
掃除機がコードレス化された背景には、モータの技術革新がある。従来のACモータから、より小型でハイパワーかつ消費電力が少ないDCブラシレスモータへの進化により、バッテリー駆動が可能となり、掃除機は電源コードから解放された。また、ニデックの開発したレジンパックモータにより、振動や騒音が大幅に軽減された静音性の高い洗濯機も実現された。
モータの未来と展望
モータの技術は、未来の社会にも大きな影響を与える可能性がある。「モータインパクトレポート」では、産業用ロボットの進化や、空飛ぶクルマの実現に向けた取り組みも紹介されている。ニデックは、減速機とセンサを一体化した新製品を開発し、協働ロボットの小型・軽量化や作業環境の改善を図っている。また、電動垂直離着陸機(eVTOL)に関する技術提供を通じて、空飛ぶクルマの実現にも役立っている。
ニデックは、世界第3位の航空機メーカー・エンブラエルと合弁会社を設立し、eVTOLの開発を進めている。これにより、被災地や離島への移動手段としての可能性も広がり、社会課題の解決に貢献することが期待されている。
ニデックは今後も、世界No.1の総合モーターメーカーとして、快適な社会づくりに貢献する革新的なソリューションを提案し続ける。モータの技術がもたらす未来への期待が高まる中、同社の取り組みに注目が集まる。
モータインパクトレポート:https://www.nidec.com/jp/brand/company/motor-impact-report/